「特別かぁ……。へぇ~」
「何だよ。部活動はしないのか?って、聞いてきたのはお前だろ?だから俺が特別に今日だけ天体観測に連れて来てやったんじゃねぇか。感謝しろよ?」
「明日、雨が降らなきゃいいけど」
はっ?
俺は自分のこめかみがピクッと動いたのがわかった。
「いや、雨じゃなくて雪かも……。いやいや、もしかしたら槍?いやいやいや、槍じゃなくてウサギかも!雨のちウサギとか」
速水はひとりでそう言って、ひとりでクスクス笑ってる。
てか、何でウサギ?
刃物から動物?
しかも草食動物?
「何でウサギ?」
まぁ、一応、聞いてやるか。
「今年は卯年だからです!それに槍が降ったら刺さるもしれないじゃないですかぁ?でもウサギだったら可愛いし、刺さらないし……」
「あぁ!もういい!」
聞いた俺がバカだった。
バカにバカな質問した俺が悪い。
「わかったから黙って星を観察しろ」
「はいっ!」
俺と速水は、星空を見上げた。



