「おいっ!速水!起きろ!」
助手席で眠る速水に声をかけるけど、全く起きる気配なし。
「速水?おいっ!」
「…………もう、食べれません……ムニャムニャ……エヘヘ……」
テメェは、どんな夢を見てんだよ!
「こらっ!速水!」
速水の体を揺すってみる。
「……んんっ……あぁ」
速水の目が開いていく。
だーかーらー!
お前は何で起きる前に変な声を出すんだよ!
その癖を直せ。
ここにいるのが俺じゃなく変態なら襲われてるぞ。
「……せんせ?」
「あ?」
「何でここに先生がいるの?」
ちょー寝ぼけてるよ、コイツ。
「ここは俺の車の中だから」
「えっ?何で先生の車に?」
速水の言葉に俺は大きな溜め息をついた。
寝ぼけてるのか、本当にバカなのか……。
多分、後者だろうけど。
「お前を送り届けるために……」
「あぁ!思い出した!」
やっとか!
てか、おせーよ!
速水は薄く開けていた目をバチッと見開き、辺りをキョロキョロ見始めた。
「先生?ここ、○○駅じゃないですよ?」



