「ふわぁぁ……」 速水がアクビをする。 「○○駅に着いたら起こしてやるから寝てていいぞ?」 「大丈夫です!」 速水はそう言いながら手で目を擦る。 「無理すんなよ」 「あ、はい」 あんな仕事をしてたら寝不足になるよな。 …………………… ……………… ………… …… って、大丈夫だって言ってたくせに、もう寝てやがる。 しかも、やっぱり“スースー”と子供みたいな寝息をたてて。 俺は、カーステから流れる音楽のボリュームを小さくした。