しばらくして速水がバスルームから出て来た。
「終わったか?」
「はいっ!」
速水が元気よく返事をする。
こんな時に何で元気に返事が出来るんだよ。
「断ったか?」
「はいっ!約束通り断りました」
「そっか……。じゃあ、行こうか」
俺はそう言って、ベッドから離れた。
「行くって、どこへ?」
「帰るに決まってんだろ?」
「あ、そ、そうですよね。てっきり、どこかへ行くのかと思いました」
速水はそう言ってアハハと笑うと、自分の荷物を持った。
「行くぞ?」
俺はそう言って、ドアの方へ歩いて行った。
「あぁ!待って下さ~い!」
何でコイツは、こうもどんくさいんだ?
速水がパタパタと走って近付いてくる。
そして俺たちは、当たり前だけど、何もすることなくホテルを後にした。



