「じゃあ、教えてあげる。凪と七星ちゃんのこと……」
自分から教えて欲しいと言ったのに……。
胸がドキドキしてる。
これは、後悔したからドキドキしてるんじゃない。
「七星ちゃんは凪の彼女だよ」
やっぱり……。
わかってた。
七星さんが先生の彼女だってことくらい、わかってた。
でもドキドキしていた胸が“チクン”と痛んで……。
「でも、その前に、ふたりは秘密の関係だった」
「秘密の関係?」
秘密の関係って何?
不倫?とか?
「今の琴梨ちゃんと凪の関係と同じ」
「えっ?先生と生徒?」
「そう、正解」
七星さんは生徒だけど、先生の彼女で……。
だから秘密の関係だったんだ。
「七星ちゃんは去年、卒業したんだけどね」
「じゃあ、私の先輩?」
「うん。しかも同じ天文部だったんだ」
「えっ?」
「今の琴梨ちゃんと同じで、たった1人の部員」
「そうだったんですか……」
先生は何で七星さんとの関係を知り合いだと言い張ったの?
七星さんが卒業したんだから、もう秘密の関係じゃないのに……。



