「天文部のことなんですが……」
「はい」
「1週間以内に入部がなければ廃部ということでいいでしょうか?」
「はい、構いません」
「わかりました」
「では、失礼します」
俺は校長室を後にした。
天文部――。
化学教師の俺が顧問をしている。
天文部の顧問の先生が他の学校に異動になったため、1年前にこの学校に赴任してきた時、校長に天文部の顧問を頼まれた。
ただ、天文が好きだという理由だけで。
俺が天文部の顧問になった時の部員は1人。
それが七星だった。
元々、部員は3人いたらしいが、2人が辞めてしまって、七星だけが残っていた。
七星のいない天文部なんて、どうでもいい。
廃部になるならそれでも構わない。
俺は校長室の前の廊下の窓から真っ青な空を見上げた。



