ラウンジのあるフロアから賑やかな声が聞こえてきた。
反省会と言う名の飲み会が終わったんだ。
ヤバイ。
どうしよう……。
そう考えてる間にも賑やかな声は、だんだん近くなる。
「何か、向こうから賑やかな声が聞こえてきましたね」
何、呑気なこと言ってんだよ。
「速水!荷物を持て!」
「えっ?何でぇ?」
あぁ!もぅ!説明してる暇はねぇ。
俺は速水の荷物を持ち、もう片方の手で速水の手首を掴み、無理矢理、ソファーから立ち上がらせると、そのままエレベーターホールの方へ走った。
「ちょ、ちょっと先生!?」
「うるせぇ!黙ってろ」
俺はそう言って、速水の手首を掴んだまま走った。
ロビーからエレベーターホールを少し行ったとこにあるサブ玄関。
このドアは24時間、開いてると言っていた。
そこから外に出て、足を止めた。
酒を飲んで走ったからか息が上がる。
膝に手をついて、前屈みになり呼吸する。
俺は、壁に背を預け、そのままヘタヘタとしゃがみ込んだ。



