【先生×生徒シリーズ】キミに、会いたくて―星空に秘めた想い―




貸し切りの車両。


座席は決まってるわけじゃなく自由。


生徒は、それぞれ仲の良い者同士で座っている。


ただ、ひとりを省いて。


速水は席が決まらないのか、通路をウロウロしている。


誰にも声をかけられず、声をかけず、ただウロウロしているだけ。


あのバカ、何してんだよ。


速水に声をかけようとした時……。



「先生?せーんせ?」



2人がけの席を向かい合わせにして座っていた女子生徒に声をかけられた。



「えっ?ん?」


「先生?良かったら、ここに座って下さい!」



空いている1つの席をポンポンと叩きながら、1人の女子生徒がそう言った。



「あ、ゴメン。俺たち教師は席が決まってるから」



そう言うと、女子生徒グループから不満の声が漏れる。


そんな煩い女子グループを無視して、俺は自分の席に行った。


速水は……。


…………あ。


俺が座る前の席の花房先生の隣に座っていた。