「速水、大丈夫か?」
「あ、はいっ!大丈夫です!転んだのがホームの中で良かったです。もしホームから落ちてたら修学旅行どころじゃなくなりますね」
速水はそう言ってアハハと笑った。
いやいや、そう言う問題じゃねぇだろ。
でも、まぁ、大丈夫なら良かったけど……。
「って、血が出てるじゃねぇか!」
「へ?」
速水は目線を膝に落とした。
膝が擦りむけて血がにじんでいた。
「あぁ、これくらい大丈夫です。ツバを付けてたら治ります」
「そう言うわけにはいかねぇだろ~。あとで花房先生に消毒してもらえ。それまでこれ……」
俺は自分の鞄からカットバンを出して速水に渡した。



