濃い霧の中にいた。
ここはどこなのか、どうしてこんなとこにいるのか全くわからない。
「…………せ?…………先生?」
俺を呼ぶ声がする。
この声は、七星だ。
回りを見渡すけど、七星の姿は見えない。
七星?
なぁ、七星?
どこにいるんだ?
いたら姿を顔を見せてくれ。
「先生?ゴメンね……」
何で謝るんだよ。
なぁ、七星。
七星……。
俺、今でもキミのことが……。
…………………………
……………………
………………
…………
「……せ?……先生?大丈夫?」
ん?
目をゆっくり開けていく。
「…………なな、せ?」
「いえ、私は速水琴梨です」
速水?
えっ?



