リビングにあるインターホンの通話ボタンを押す。
モニターに映し出されたのは速水の顔。
しかもドアップ。
はっ?
何で、コイツがうちに?
てか、何でここがわかったんだ?
「はい……」
ここは冷静に大人の対応。
『先生!速水です!速水琴梨です!』
フルネームで名前言わなくてもわかるっつーの!
「何か用?てか、何でここがわかった?」
『先生が体調不良で帰ったって聞いたから、お見舞いに来ました!あ、先生のお家の場所は間宮さんから聞きました』
和也め……いらんこと教えんなよ……。
「見舞いはいいから、もう帰りなさい」
頼むから寝かせてくれ。
『嫌です!先生をお見舞いするまで帰りません』
はぁ……。
速水のことだからホントに帰らないかもしれない。
エントランスに座り込まれたら迷惑だよな。
「わかった。今、開けるから……」
『はいっ!』
俺はインターホンを切って、オートロックを解除した。



