―琴梨Side―



授業が終わり、やっとHRが終わった。


HRが終わったと同時に、私は鞄を持って教室を飛び出した。


先生にあげるお菓子を拾いに行くため。


授業中もお菓子が心配で授業に集中出来なかった。


お菓子が落ちてる場所にダッシュで行く。


道路の端の方に落ちてるのが見えた。


あった!


お菓子を拾い上げる。


透明なラッピングフィルムはボロボロで所々、破れてる。


オレンジのリボンは解けてる。


お菓子はクッキーは粉々、キャンディは割れて、チョコも潰れてる。


それを見て胸がチクチク痛む。


鼻の奥がツーンと痛くなり、涙が込み上げてくる。


けど、泣いたらダメ。


今までもそうだったじゃない。


同じことを何度もされてきたじゃない。


泣かないって決めたんでしょ?


泣いたら相手の思う壷。


いつも笑顔でいなきゃ。


泣いたら負けだよ、琴梨。


そう自分に言い聞かせグッと涙を堪える。


お菓子を鞄の中に入れると、校門から出て来る生徒たちとは反対に、私は校門から学校の中に入る。


同じクラスの子たちと、すれ違うたびにクスクス笑われる。


でも気にしない。


私はそのまま化学室へ急いだ。