男子たちは笑いながらお菓子を投げ合う。
そのお菓子は女子たちの元にも投げられ、次から次へと投げられていく。
キャーキャーと喚きながらゲラゲラと笑いながら。
私が手を伸ばして取ろうとしても邪魔されて取れない。
散々、投げられ続けたラッピングがヨレヨレお菓子は、一ノ瀬さんの手に渡り……。
私の顔を見てニヤリと笑うと、お菓子を窓の外に投げた。
「あぁ!」
窓の外に行き、上から下を見る。
外壁の向こう側、道路にお菓子が落ちていた。
あ~あ、またこのパターン。
前の靴の時と同じ。
「取りに行けよ~」
「大好きな神谷にプレゼントすんだろ?」
「てか、あんな、きたねぇもんもらっても嬉しくねぇだろ?」
男子たちがゲラゲラ笑いながらそう言う。
取りに行こうか……。
車が通ったらペチャンコになってしまう。
取りに行こうとした時、休み時間の終わりを告げるチャイムが鳴り響いた。
―琴梨Side end―



