「おにーさんこそ、仕事は?早く行かないと遅刻するんじゃない?」
クスクス笑いながらそう言う彼女。
おにーさんだと?
俺の眉がピクリと動く。
俺はお前が通う学校の先生だ。
そう思っても、コイツにはわからないわけで……。
「学校まで送ってやるから、ついて来い」
「えっ?そ、それは……」
「いいから。転入早々、遅刻したくないだろ?」
「そうですけどぉ……。おにーさんこそ、会社に遅刻しますよ?それに知らない人の車に乗るのは、ちょっと……」
「俺は○○高校の教師だ」
「えぇぇぇ!!!」
彼女が叫ぶ。
その声が煩くて、思わず眉間にシワが寄った。



