【先生×生徒シリーズ】キミに、会いたくて―星空に秘めた想い―





「俺が紙を重ねるから、速水はホッチキスな」



俺は速水の前にホッチキスを置いた。



「あ、はいっ!」



速水はホッチキスを手に持つ。


俺は紙を重ね、速水の横に置いていく。


それを速水がホッチキスで留める。


紙を重ねる作業よりホッチキス作業の方が早いと思って代わったのに……。


なのに……。



「あのぉ……。早くホッチキス留めをしてもらえませんかねぇ。琴梨さ~ん!」


「わはっ!す、すいません!」



紙を交互に速水の横に重ねていく。


それが、どんどん溜まっていく。


ホッチキスで留めるだけだぞ?


紙を重ねる作業より簡単だろ?


どんだけ、どんくさいんだよ?


速水が慌てながら必死でホッチキス留めの作業をしていく。


余裕で鼻歌を歌っていた速水の姿は、もうそこにはなかった。