「きったねぇなぁ」
俺の前で堂々と着替えようとした時もそうだけど、速水は10代の女子高生だろ?
もっと恥じらうことを覚えろよ。
「うわぁーん!せぇんせぇ、鼻水がぁ!」
速水はそう言って“ジュルジュル”と鼻を啜ると、鼻水が速水の鼻へ収まった。
…………ぷっ。
漫画みてぇ。
速水を見て笑いが込み上げてきた。
「もぉ!笑わないで下さいよぉ!」
速水がホッペを膨らませ、プイと横を向く。
「わりぃ、わりぃ。漫画みてぇだなと思ったら笑いが……」
「うぅ……」
速水は鞄からポケットティッシュを取り出し鼻をかんだ。
「そのタオルやるよ」
「いやいや、洗ってお返しします」
「いや、いいって」
「ん、じゃあ、お言葉に甘えて……」
速水はそう言ってハンドタオルを鞄に入れた。



