「あのぉ……私、七星って名前じゃないんですけどぉ……」 「えっ?」 彼女にそう言われて、我に返った俺は彼女に目を向けた。 「誰かと勘違いしてます?」 「えっ?あ、ゴメン……。知り合いに似てたから……」 七星じゃなかったのか。 そうだよな。 七星がこんなとこにいるわけないよな……。 そうわかると、急に胸の高鳴りが治まり、体中の力が抜けていくのがわかった。 倒れないように、必死でその場に留まっていた。