「速水の何が知りたい?」
俺はそう言って、アイスコーヒーを一口飲んだ。
「あのさぁ……」
和也はそう言うとタバコを灰皿に押し付けた。
「琴梨ちゃんの両親って、どんな人なんだ?」
「はっ?」
和也からの意外な質問に目を見開いた。
「いや、さ、昨日、琴梨ちゃんから電話があって……」
電話?
和也と速水は電話番号を交換するような仲だったのか?
「あ、電話って店にだから。多分、電話帳か何かで調べたんだと思う」
俺の心の中を見透かしたように、和也はそう言った。
「で、俺に頼み事って言うか、お願いがあるから明日、店に行っていいかって……」
「お願い?」
あ、だから今日は用事があるって言ってたのか……。
それは、ここに来るため……。



