「和也、速水のこと……」
「えっ?」
和也のことを凝視する俺。
目を逸らす和也。
…………やっぱり?
「お前……」
「えっ?ち、違う違う」
和也はそう言って、頭を左右に振った。
「お前、何か勘違いしてねぇか?」
「はい?」
「俺、琴梨ちゃんは素直で、いい子だから好きだけど、その好きの意味は、それは友達としてと言うか……。てか、恋愛相談とかじゃねぇから」
「なんだ……」
そっか……。
でも友達として好き、ねぇ……。
そう言う割には顔が赤いですけど?
イケメンオーナーがいるカフェとかで雑誌に載ったり、和也目当てで来る女性客が多いのにな。
女には困ってませんみたいな感じの和也が、速水のことで顔を赤くするなんて……。
まぁ、それは指摘しないでおこう。



