22時前、和也の店に着いた。 駐車場に車を停め“CLOSE”の札がかかった木のドアを開ける。 「よぉ!」 キッチンにいた和也に手を上げ挨拶をする。 「急に呼び出して悪いな」 「いや」 窓際の席に座る。 しばらくして和也は、ふたつのアイスコーヒーと灰皿を持って来た。 「ここ、禁煙だろ?」 「今日は特別。あとでファブリーズするから大丈夫」 和也はそう言ってクスッと笑うと、俺の向かいに座った。 店の中、全席禁煙にしてるくせにオーナーの和也はポケットからタバコを取り出し、テーブルに置いた。