「あ、そう言えば……。速水、修学旅行に行くのか?」 ノートにあった修学旅行の申込書を思い出して、そう聞いてみた。 「はいっ!行きます!」 「そうか」 共働きで、子供に感心がなく、愛されたいと子供に思わせるような両親なのに、修学旅行にはちゃんと行かせてやるんだ……。 ちょっとは安心した。 愛情表現が苦手なだけで、もしかしたら普通の親なのかもしれない。