「梅干し嫌いじゃないから……」
って、何だ?
そんなこと言って、俺どうかしてる?
速水の単純バカが移ったのか?
「ホントですか?良かった。あ、でも良かったら昆布もどうぞ?」
丸くデカイおにぎりをふたつ差し出してきた。
「あ、うん。ありがとう」
素直に受け取る俺。
「いいえ、どう致しまして」
エヘヘと笑う速水。
てか、真夏にエアコンのない教室に置いてあった、おにぎりは大丈夫か?
まぁ、速水が平気そうに食べてたから大丈夫なんだろうな。
「速水?何か用でもあるのか?」
デカイおにぎりを食べ、お茶を飲んでる速水にそう言った。
「えっ?あ、はいっ!」
そう返事をして、速水はお茶と小さくなったラップを鞄に入れた。
「俺も仕事が終わったし、送って行こうか?もう部活の生徒もいないし……」
今日の部活は16時までだったはず……。
「えっ?わっ、ホントですかぁ?助かりますぅ!」
速水はそう言ってペコペコ頭を下げた。
そして俺も帰る用意をして、俺と速水は化学室を後にした。



