速水は、おにぎりを食べながら独り言をブツブツ呟き、オロオロしながら片付けをしている。
食うか、しゃべるか、片付けるか、どれかひとつにしろ。
「俺のセイなわけ?」
「そうです」
そう言って、おにぎりを食いながら片付ける速水。
こめかみの血管がピキッと音がしたような気がした。
「俺、速水のこと、起こしたけど?」
「えっ?」
かじったおにぎりがポロッと口から落ちる。
きたねぇ……。
「じゃあ、あれは夢じゃなかったの?」
そうブツブツ独り言を呟く速水。
でも、おにぎりは離さず手に持っている。
それが、おかしくて笑いが込み上げてくる。



