修学旅行の申込書には、まだ何も書かれてなかった。
書こうと思って力尽きたのか?
てか、家で書いて来いよ。
「速水!おいっ!起きろよ!」
速水の体を揺する。
「……ん、あ、んんっ」
変な声、出すんじゃねぇよ。
「おいっ!」
「ん、ジュルル……」
涎を啜る音。
って、オメェはガキか!
「あ、先生?どーしたんですかぁ?」
突っ伏せたまま顔だけこっちに向け、そう言って欠伸をする速水。
「どーしたんですかぁ?じゃねぇよ!もう昼だぞ?」
「あ、そうですか……。ん、ムニャムニャ……」
そう言って目をゆっくり閉じる速水。
ムニャムニャって、漫画だけの世界かと思ってたけど、実際に言うヤツ初めて見た。
「おいっ!起きろって!」
再び体を揺する。
けど、起きねぇし!
チッ!
ダメだ。
俺は速水を起こすのを諦めて、準備室に戻った。



