そろそろ昼かぁ……。
椅子に座ったまま背伸びをした。
そして椅子から離れ、化学室に繋がるドアを開ける。
…………チッ。
またかよ。
机に突っ伏せて寝ている速水を見て舌打ちをした。
夏休み、昼間にここで寝ていることが多い速水。
家帰って寝ろよ。
毎日毎日ここで寝やがって。
てか、よく寝れるよな。
俺は速水の傍に行き、いつものように揺すって起こそうとした手を止めた。
ノートの下にあるプリントに目をやる。
11月にある修学旅行の申込書。
この学校は2年生じゃなく、3年生が毎年11月に修学旅行に行くことになっている。
ノートをそっと退け、プリントを見る。
あの七夕の日、速水が書いた短冊を見た時と同じ心境だった。



