「お前さぁ、毎日ここに来てるけど、他にやることあるだろ?」
「あ、もしかして、迷惑でした?」
やっとわかったか。
お前の相手をしているこっちの身にもなれ。
「めい……」
迷惑だと言おうと速水を見ると、上目遣いで悲しそうな目でこっちを見ていた。
「いや、別に迷惑じゃ……」
そんな顔されると言えねぇだろ。
「ハハ。良かった~」
さっきまでの悲しそうな目はどこへ行ったのか、速水はいつもの笑顔に戻っていた。
……ったく。
速水は椅子に座って、机の上に置いた鞄から夏休みの宿題を取り出す。
「私、宿題するんで、先生は仕事をして下さい」
テメェに言われなくてもわかってるわ!
ホントにイライラさせるヤツだ。



