合宿コンクールの練習の時
彼はパートリーダーだった。
いつもは面倒くさがって何もやらないのに
今回はそのパートの中で一番声を出して頑張っていた。
でもある日
放課後練習になって
いつもいるはずの彼の姿がなかった。
彼と仲のいいKにどうしたのか聞いてみた。
すると意外な答えが返ってきた。
「具合が悪くて早退した」
私は心配になって
夜にメールを入れた。
「大丈夫?」
本当はもっとちゃんとメールをしたかった。
でもツンツンな私には
これしか言うことが出来なかった。
それから夜の0時を過ぎても
たわいもない世間話をしていた。
でも私はあることに気付く。
今日は彼の誕生日だ。
私はすかさず返信メールに
お祝いの言葉を書く。
「お誕生日おめでとう」
デコレーションメールにした。
少しでも気持ちが伝わるように。
少しでも喜んでもらえるように。
返信は早かった。
お礼だけだと思っていたが
彼は私の誕生日を聞いてきた。
…すごく嬉しかった。
こんな些細なことで喜んでる私はバカかもしれない。
でも好きな人からのメールは
私の心を温かくした。
合宿コンクールの本番
普段なら赤色のネクタイをしてるのに、今日は青のネクタイをしていた。
そんな彼もクールに見えて
ドキッとした。
夏休み前
私はある噂を聞いた。
ある女の子が彼のことが好き
と言う噂。
私は調べた。
でもやはり噂は真実だった。
…その子は可愛かった。
細くて可愛くて私とは大違い。
だから諦めようとした。
自分が勝てるわけがないと思って。
でも彼はその子のことを嫌った。
私にその子のことで
たくさん相談してくれた。
恋愛相談なんかじゃない。
その子はずっと彼のストーカーをしていたからだ。
その子には悪いけど
私は嬉しいかった。
その子のことが好きじゃなくて。
そして彼が相談してくれることが。

