「そろそろ送ってく」


千里の可愛さを神沢と語り合っていたら、いつの間にか夕日色だった空は真っ暗になっていた。


「あ、うん・・・じゃあね千里、また明日」


最近では千里は勿論神沢に、私は眞野に送ってもらう事が決まり事の様になりつつある。

身仕度を整えて、出入口に向かおうとすると眞野の携帯が鳴った。


「わりぃ、ちょっと待ってて」


ディスプレイを確認して、眞野は私から少し離れる。

誰からなんだろう?
名前を確認した時の眞野の顔は、嬉しそうな切なそうな、複雑な表情だった。

何だか嫌な予感がして、そわそわと落ち着かない。


「相手が誰だか気になる?」


いつの間に来たのか、横に立っていた東雲が分かってるクセに聞いてくる。