「千里っ大丈夫か?!怪我は?!」


溜まり場に入ると神沢が、すごい勢いで千里に駆け寄ってきた。


「私は大丈夫ですっ、蓮次先輩こそ大丈夫でしたか?!」


千里も心配そうに神沢を見上げている。

ぱっと周りを見渡しても、怪我人もあまりいないし中もそんなに荒らされていない事に少しホッとした。


「宇佐美、大丈夫だったか?」


声に振り返れば眞野が心配そうに立っていて


「うん、大丈夫」


私がそう言って頷けば、眞野は柔らかく微笑んでいつものように私の頭を撫でた。


「って、眞野の方が怪我してるじゃんっ」


眞野の頬には、ナイフか何かで切ったような傷が一つ。


「これくらいどーってことねぇよ、何か飲むもん持ってくるから座っとけ」


苦笑いをしながらそう言って、背を向けた眞野の腕を掴む。


「消毒くらいしとかないと駄目だよ、飲み物は良いから消毒液とガーゼ有ったら持ってきて」


私やるからと言えば、眞野は少し驚いた様な顔をしてその後柔らかく笑った。