「うさぎちゃんと千里ちゃんは下がっててね」


その言葉に私は、千里の手を引っ張って物陰に隠れる。


「あ、梓っ・・・ど、しようっ蓮次先輩がっ」

「千里落ち着いて?きっと大丈夫・・・東雲も言ってたじゃない、ね?」

「っ・・・うん」


神沢の事を心配する千里を宥めて、チラッと東雲の方を見る。

東雲の足元には既に数人が転がっていて、立っているのは赤いやつだけだった。


「はや・・・」


私が唖然としている間にも、東雲は赤いやつをどんどん追い詰めていく。