「溜め息なんて吐いてどーしちゃったのうさぎちゃん」

「ひぃぃっ!」


一人だと思っていたのに、急に声が聞こえて変な悲鳴が口から飛び出す。


「だから、もう少し可愛い悲鳴出せないの?」

「あ、あんたが急に出てくるからでしょ?!」


東雲が、階段をゆっくりとした足取りで降りてくる。


「い、いつから居たの?」

「恋する乙女オーラでぽーっとしながら、どうしよーって言ってた頃くらいからかな」

「なっ」


私の目の前にしゃがんで、ニヤニヤ笑う東雲はまるで新しい玩具を見つけた子どもみたいだ。