「ううん一人暮らしだから大丈夫」

「一人暮らしなのか?」


ここで?と、またびっくりした様な顔で聞いてくる眞野が何だか面白い。


「うん、両親は海外に行ってるから」

「寂しくないか?」

「何歳だと思ってるの?」


寂しくないよ、と言えばまた頭を撫でてくる。


「じゃあ、送ってくれてありがとね」


何だかそれが擽ったくて、口早にお礼を言う。


「あぁ、おやすみ」


目元を緩めてそう言った後、帰っていく背中を見て自覚してしまった。


私は、眞野宗樹に恋をしている。