学校が終わり、葵との帰り道。
「いったぁ~。」
可愛い女の子の声が聞こえた。
見てみると、そこには、かみが金色で、どうみても、小六くらいの身長のかわいらしい女の子が痛そうにしていた。ここは、一組の寮だし、この子の事は俺は知らない。ネクタイは泥まみれで、何組か判定できないし・・・・。一年生だろう。
「大丈夫?」
気軽に話しかけてみる。
「え、あぁ、大丈夫よ。このくらいの怪我・・・」
「立てる?」
「えぇ。」
「じゃ、捕まって?」
そういって、俺は手を差し出す。
近くに水道があったから、そこで傷口を洗い、葵が持っていた絆創膏を貼ってやった。
「ありがとう。ところで、正門はどちらかしら?」
「正門?」
「えぇ、いつもは、みんなと帰るから正門までたどり着けるのだけど、今日は、私が遅くなっちゃって、わからなくなってしまって・・・。」
「そう。・・・送っていこうか?」
「本当ですか?ありがとう!」
俺はニコッと笑って、葵に先に帰っているよう伝えると、正門まで彼女と歩き出した。だが、俺は気づかなかった。そのとき、葵は彼女をとてつもなく恐ろしい顔で睨んでいることを・・・。

彼女を正門まで送り届けると、彼女は小さくありがとうと呟いて、車にのりこんだ。そして、俺は彼女が行ってしまったあとに気がついた。
「名前、聞くの忘れた。」
まあ、いいか。とか思いながら、寮まで帰っていった。