「グループリング」


「なに・・やってるの・・?」

弱々しい声が響く。

それと同時にそこにいた全員の動きが止まる。

「りんか・・ちゃん?それに・文香ちゃん・・
何してるの?梨花ちゃんどうして・・」

「・・ちっ・・。みんな帰るよっ。」

「え?ちょ、まってよ文香!」

文香が帰り、取り巻きも一斉に帰っていった。

一気に静かになる。

「・・えと、私は・・これで・・」

ーガシッ

私はその子の手をつかんだ。

顔の知らない子だった。

「えと・・あの・・?」

「ありがとうっ」

「え?」

「本当にありがとうっ。あなたが来てくれな
かったら今頃たいへんだった!」

手を握ってお礼を言う。

「本当にありがとうね」

安音も続けていう。

「えと・・その・・私・・ちょっと
あんまり状況がわかってないと言うか
・・」

あ・・。そりゃそうか・・。

言われてみて気がつく。

放課後、こんな人数でこんな格好の子が
いたらわけわかんないもんね。