「なんで、なんで梨花をこんな目にあわせる
のよ・・・」
安音は目に涙を浮かべて続けた。
「この子は・・、梨花は、なんにもしていない
じゃないっ!なのに・・っ、どうして、
こんなことされなきゃだめなのよっっ!!」
空気が震える。
文香ど取り巻きは、完全に安音の迫力に押さ
れている。
その中で、ひとり。
平然としている人がいる。
文香だ。
「もう・・っ、やめてよ。誰の特にも
ならないんだからっ」
「あんたさ、さっきの話、聴いてた?」
「は・・?」
「そっか、そういやあんたはきいてなかった
んだっけ?」
「な、なによ」
文香は私に安音が来る前に言った言葉のことを
言ってるのだろう。
できれば二回も聴きたくない言葉だ。

