「グループリング」


しばらくすると、優香ちゃんは泣き止んで、
何気ない話をしていた。

こんなにゆっくり、梨花以外と話すの
久しぶりだな。

そのときだった。

「あ!そういえば」

「ん?どうかした?」

「安音ちゃん。梨花ちゃんが危ないかも
しれない」

「・・・え?」

一瞬で空気が変わった。

「・・・どういうこと?」

「あのね・・・、今日学校でね」

優香ちゃんの今までの話をまとめるとこうなる。

今日、文香は私がいないことをいいことに梨花を
いつも以上にいじめた。

そのときたまたま文香とりまきがモップを持って
きた。

それを梨花にこすりつけようとしたがやめた。

「それでね、そのあとは何て言ってたかわから
なかったんだけど、最後にね『放課後が楽しみ
』って言ってたの」

放課後が楽しみ?

ヤバい!!

梨花があぶない!!

「優香ちゃん!今何時?」

「え?えーと、4時50分!!」

くっ・・・。だいぶ時間たってるな・・・。

「ごめん、優香ちゃん!!私、学校行ってくる!」

「え!?じゃあ、私も・・」

「優香ちゃんはだめ!!」

「なん・・・」

「優香ちゃんが一緒に行ったら優香ちゃんも苛められる!」

「あ・・」

「じゃ、今日はありがとう」

それだけいって、部屋を飛び出した。

「がんばって!安音ちゃん!!」

後ろから、優香ちゃんの声がした。