「グループリング」


私は、満面の笑みでその場にいた。

私が優香ちゃんに対して怒るはずがない。

むしろ、嬉しいんだ。

学校やみんなの前で助けてもらえなくても、
話しかけてもらえなくても、こうやって思って
くれてる人が、一人でもいること。

それが嬉しくてたまらないんだ。

「ありがとう、優香ちゃん。」

すると、また驚いた顔をする優香ちゃん。

「ありがとう、優香ちゃん。優香ちゃん
だけでも、そう思ってくれる人がいるって
思ったら凄く元気出たよ!」

「安音ちゃん・・・。」

「ありがとね!優香ちゃん!」

ニコっと笑って言った。

「・・・う、うぅー・・」

それと同時くらいに泣き出してしまった
優香ちゃん。

そんなに、怒られるとでも思っていたのだ
ろうか。

「あらあら、優香ちゃん。そんなに泣いたら
せっかくの可愛い顔が台無しだよ」

なんてことを言いながら優香ちゃんの背中を
さする。

「うぅー、ありがとうー」

本当に、びっくりだ。

優香ちゃんがこんなに泣くなんて想像も
してなかったよ。