バスにのり、とりあえず一段落。
ちょっと休憩しとこう。

あ、美琴にちょっと聞いてみようかな。
でも、いま聞いちゃいけなかったりするかな。
どうしよう。

私がこんな風に考えているから私と美琴との間は
妙に静かだ。
は、早く話題を見つけないと。
あー、こんなときに限って話題がない!
聞いちゃおうかな。
どうせこのままじゃ、静かなままだし。
あれ、なんかちょっと緊張してきた。
落ち着け自分。
冷静になれ〜。

軽く深呼吸をして、話かけた。
「み、美琴?」
「ん?何?」
あれ、いつもと同じだ。
「あ、あのさ、さっきさ、みんなの様子
おかしくなかった?」
「「・・・」」
ちょっと美琴の返答が遅れた。
詰まったっていうのかな。
「へ?そうかな。みんな昨日眠れなくって
ちょっと寝不足なだけじゃない?」
なるほど・・・。
たしかに、私も昨日あんまり寝れなかった。
すごく楽しみだったんだもん。
みんなも一緒かな?
それなら、納得する・・・かも。
「そんなもんかな?」
「そうだよ、梨花ったら心配しすぎ!
どこにどう心配する必要があるの?」
「そっか、そうだよね!心配する必要なんか
ないよね!」
そうだよ。何も心配することなんかない。
変に疑っちゃって申し訳ないな。
「梨花、今日は思いっきり楽しもうね!」
「うん!さあ、遊ぶぞー!」
「おー!」
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今思えばこのときまでは楽しかったな。
このときは予想もしなかった。
というか、予想もできなかった。
こんなに楽しみにしてた遠足が、
こんな最悪な形で潰れるなんて、
過ぎたことでも想像したくないもん。
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