どんなに嫌がっても時間の流れはいつも
通りで、いつも通り放課後が現れる。

放課後のショートタイムが終わると
教室にいた人たちは花を咲かせたように
笑顔で教室を出ていく。

こんなに暗い気持ちなのは私くらい
なんじゃないだろうか。

朝の予定では、安音の家に行くはず
たのに。

「はぁ…。」

思わず溜め息が出る。


文香たちは一体何をする気なんだろうか。


モップを私に擦り付けたかったなら
さっき教室でやればよかったことだ。

見てる人が多い方が文香たちは好都合
なはずだから。


なのに、わざわざ放課後のトイレだ
なんて、そんな人目のつかない所を
文香が選ぶなんておかしい。

絶対、なにかある。



色々かんがえてみる。

文香がしそうなこと。


なんなの?

今までのパターンとは全く違う。


故に怖い。


今までの文香のパターンは、私や安音
を苛め、惨めな姿をクラスメートたち
に見せ、皆で笑うものだった。


そんな文香が人目のない場所を選ぶのは
おかしいんだ。


でも、

「考えても仕方ないか…」

どう考えてもトイレに行かなければならない
状況は変わらない。

ならさっさと行って終わらせよう。