「グループリング」


Γちょっと梨花、あんたがいるせいで、
ここ、汚れてるんですけどぉ!!」

Γちゃんと掃除しといてよねっ」

語尾を強めて、私の背中を誰が押した。

押したというか、突き飛ばした。

振り替えると文香と、…誰だっけ?

名前も忘れた、多分クラスメートで
あろう女子生徒だ。


見ての通り私は苛められていた。

いつも通りと言えば、いつも通りだ。


だけど、安音がいないからか、いつも
より酷い。


安音は元から友達が多い方だった。


その優しく誰にでも平等に接してくれる
性格が誰にでも好かれ、友達が多かった。


だから、前に安音と仲の良かった子たち
は安音に手はあまり出したくないらしい。

そのぶん私への被害も減る。


だから、普段は無視されるか、文香に
何かされるかだけですむ。


放課後お見舞い行こうなんて、
呑気に考えられるのはホームルームの
間だけだった。


ていうか、一体どこが汚れてて
私にどうして欲しいのよ。


呆然と背中を押されて立たされた場所で
立ち尽くす。


ードンッ


「何やってんのよ、あんた。そんな
所に立たれても邪魔なだけなのよ!!」

「そうよ!!さっさと掃除しなさい!!」