「ちょっと梨花、待って、一回止まって!」
全力で走った。ここはさっきと違う校舎の屋上。
もちろんなかには入ってないけど・・・。
ハアハアと息が切れる。
安音の腕を引っ張ってここまで全力で走った。
一刻も早く、あの場所から離れたかった。
「ごめんね、安音。無理矢理引っ張って。」
いくら気が動転してたからって、助けてくれた
安音を無理矢理引っ張ったんだ。
謝らないと。
「いいよ。これで普通にしてられたら、逆にす
ごいもん。気にしなくて良いよ」
「ありがとう」
私、これからどうしたらいいのかな・・・。
さっきは勢いで行動しちゃったけど、クラスの
中心に立ってる文香たちのグループがもし
集団で私たちの所にきたら、勝てるはずがない
。どうしたいいの?
「梨花。不安なの?」
「へ?」
突然の質問に間抜けな返事をしてしまう。
「だから、不安なの?文香ちゃんたちに逆らっ
て虐められるの」
「・・・。」
安音さん、ビンゴです・・・。
ピタリ賞だよ。
思わず黙ってしまう。
「どうなの?」
「う、うん。ちょっと怖い・・・。」
すごい目力で見られて思わず返事してしまう。

