「フッ。あ~あ、必死になってバッカみたい
。私達があんたを裏切った?笑わせないでよ
。私たちはちょっと冗談半分で遊んでただけ
よ。それを梨香が勝手に本気にしただけじゃな
い。それで勝手に被害者にならないでよね。
私たちが悪者みたいになっちゃうでしょ。」

冗談半分?

遊び?


要するに私は、文香たちのおもちゃになってた
ってこと?


『私達が悪者みたいになっちゃうでしょ。』
それって可笑しくない?

私が悪かったの?

遊びだってわかんなかった私が悪かったの?

頭がぐるぐると回って精神状態が不安定にな
ってる私に追い討ちをかけるように文香が言
う。
「あまり理解していないようだから、もう一
度言ってあげる。冗談を本気にしたあんたが
悪い。勝手に被害者にならないで。」

さっきより数倍冷たく言われた文香の言葉は
嫌になるくらいすんなりと私の心に入ってく
る。
文香の言葉が入ってくるたび心が黒く、不安
定になって行く。

だんだん最初にあった自信も、自分なりの意
見も信じられなくなって行く。

わからなくなって行く。

どうしたらいい?


わからなくなったよ。


助けて…。





安音…。