「グループリング」


そして、文香が信じられない事を言った。

「じゃあ何?梨花は私たちを裏切ろうって言うん
だ。自分のこと守りたいから」

一瞬耳を疑った。
なんで、私があの子に裏切りもの扱いされなきゃ
なんないのよ。
それは私があんたたちに言う言葉でしょう?

「は?何言って・・・」
「このっ、裏切り者っっ!」

何言ってんのよって、言おうとした私の言葉に、
文香がかぶせていった。

ーブチっ

私の中で何かが切れた。
これは、多分堪忍袋の緒が切れた音だ。

「・・・ふざっけんな・・・。」
「は?」
思わず声がこぼれた。

もう、我慢の限界。

ここまで、我慢したことを褒めてほしいくらい
だ。

一度でてしまった本音は止まる事をしらない。
「ふざけんなっ!!裏切り者はあんたたちの方で
しょっ!!」
「はぁ!?私たちがあんたに何をしたっていうの
よ?」
こいつら正気?
自分たちがなにしたかわかってないの?
「とぼけるなっ!!遠足の時、ずっと一緒だって
約束したのに私を無視してひとりぼっちにした
のはあんたたちだろう!!裏切り者!!」
込み上げてくる感情を文香にぶつける。
わかってよ。
私の気持ち。
強がってるふりしてるけど、辛いんだよ?
いくら安音が大丈夫ってなだめてくれても
あの日のことを思い出すだけで、すごく、
とてつもなく辛いんだよ。
わかる?
あんたたちにこの気持ちがわかる?
信じてた友達に裏切られてひとりぼっちに
なるこの気持ちが。

て言うか、わかりなさいよ。