「グループリング」


「引くよね・・・。こんな事・・・」
「そっか、辛かったね・・・」
「ふぇ?」
「梨花、ひとりで辛かったね・・・。
よくがんばったね。」
「・・・」
「もう我慢しなくていいんだよ。
私がずっと隣にいるよ。」
「・・・っ・・・隣にいてくれる・・・?」
「うん、ずっといるよ。梨花が寂しくならない
ように、辛くならないように、隣で支えるから」
「・・・ほん・・・とう・・・に・・・?」
「本当にっ!信じて。
梨花、もっと私を頼っていいんだよ。
もっと、甘えてよ。
今まで辛かった分私が受け止めるから。
だから、もっと甘えて良いんだよ」

『ずっと隣にいるよ』
『もっと頼っていいんだよ』
『もっと甘えてよ』

本当はずっと誰かに言って欲しかった。
ちょっとでいいから、気を使わずに
甘えさせてくれる、私のことを
本当に理解しようとしてくれる、
そんな人を待ってた。

ーポロッ
私の頬に涙が伝った。
一度出てきた涙は止まる事なく
溢れてくる。
「ふっ、ふぇ・・・う・・・」
「ちょ、ちょっと、り、梨花?」
「あ・・・んね。」
「ん?」
「あ・・・り・・・がと・・・う」
「え?」
「隣にいてくれるって言ってくれてありがとう。
頼っていいって言ってくれて・・・ありがとう」
「どうしたの、突然。」
「私、今までこんな風に言ってくれる人いなかった。
安音が初めて私の本当の気持ち・・・気づいてくれた
。ありがとう。」
「えーっと・・・なんて返せば良いのかな・・・。
とりあえずどういたしまして・・・?」