なんで?
文香たちと私って友達・・・だよね。
じゃあなんですんなり反論できないの?
「・・・っ・・。」
「ね?違うって自信持って言えないでしょ?」
「・・・。」
「あのさ、友達と一緒にいて傷ついたり辛くなったり
するのは友達でも親友でもないよ」
「でもっ・・・。」
「ましてや、今回の場合、わざと、計画的に梨花ちゃんだけ
仲間はずれにされたんだよね?」
「・・・うん・・・。」
「それでさ、梨花ちゃん傷ついてるじゃん。
それって本当に友達なの?
そのまま同じグループで辛くないの?」
「でもっ、文香たちと一緒にいなきゃ・・・」
「あのさ、質問変えるね。
梨花ちゃんはどうしてそこまでして文香ちゃんたちと
一緒にいたいの?
何か理由があるの_?」
「・・・。」
また痛いトコを。
安音ちゃん鋭いな。
「だって・・・。」
「だって何?」
「文香たちは私の恩人だもん」
私は安音ちゃんにポツポツ話しだした。

私ね、昔っから人見知りがひどかったの。
6年生になって、新しいクラスになったけど、
なかなか声をかけれなかった。
友達になってくださいって。
一緒に遊ぼうって。
言いたかったけど、どうしても声をかけれなかった。
それから、
新学期から2週間くらい経っちゃって・・・。
みんな、もう自分のグループを作っちゃってた。
それで、結局一人になっちゃった。
もう、今年一年間は一人かなって諦めてたときだったんだ。
『ねえ、一人なの?うちのグループおいでよ!』
そう、声をかけてくれたのは文香だったんだ。
一人で寂しくて心細くて、泣きたくなって。
でも、人見知りな性格な私が悪いって思って我慢してた。
そんな精神的にボロボロだった私に『うちのグループにおいで』
って言ってくれた。
嬉しくて、泣きたいくらい嬉しくて。
絶対にこの子たちと離れたくないって思った。
この子たちといたら、絶対寂しい思いはしない。
ひとりぼっちになんかならないって。
そう思った。
私にとって文香は
ひとりだった私を助けてくれた救世主だから。
そんな文香を裏切っていいはずない。