自由時間。
小学校の遠足は子供だけでの行動は許されず、
必ず全員整列して教師に連れて行ってもらうのが
ルール。というか、決まり。
けど、少しだけ自由に遊べる時間がある。
それが自由時間。
自由時間は教師の目に入る範囲ならどこで遊んでも良い。
だいたいは、同じグループの人や仲のいい人たちと遊ぶ。
しかし、今回の場合初めから仲のいい人たちでグループが
組まれている。
要するに、私があのグループに無視されている間は
一緒にいてくれる人も遊んでくれる人もいない
ということ。

あー、なんかもう笑えてきた。
文香たちが私を無視するのなんか目に見えてる。
なら、声をかけて傷つくのなんかさけた方が良いに
決まってる。
人目の着くところにいるとほかの生徒からの
目線が痛いから人気のないところにいこう。

歩いていると何人か教師が横を通る。
気づきなさいよ、生徒が一人で歩いてんのよ。
教師がほったらかしにしていいわけ？
多少の怒りがあったものの、私なはどうでもよかった。
どうせ教師を頼りにしたってきれいごとしか言わないんだから。

いろいろ考えてるとよくわからないところに着いた。
ここどこよ。
まあいいや。
そのうち帰れるだろうしね。
そう思い腰を下ろした。

さてどうしようかな。
どうせひとりだしね。
昼寝でもしようかな。

うとうとしていると、突然うしろから
肩を叩かれた。
「ねえ」
「えっ」
びっくりしてうしろを向く。
「安音・・・ちゃん？」
「梨花ちゃんじゃん。こんなとこで何してるの？
てかグループの人は？」
「ふぁ、ふぇ・・・。うーー。」
「え、ちょ、ちょっと梨花ちゃん？」
泣いてしまった。
ボロボロと子供みたいに。
ホッとしたのと同時に嬉しかったんだ。
バスを降りたときから、私の存在はないに等しくて・・・。
名前を呼んでもらえるのが嬉しくて・・・。