「朝食はカレーうどんで昼はドライカレーで夜にはライスカレーにでもするか?」
「うう……」
どうやら本気で反論できなくなったらしい。美和はうなだれてしまう。
「ちょっと櫂。なんでそう美和ちゃんに突っかかるの」
「別に。ただこの先思いやられるなと思ってさ」
文句をいいつつも櫂はカレーライスを口にした。自分が最初に口をつけたことには気づかずに。
ふたりの目が櫂の口元に集中している。美和が恐る恐る声をかけてきた。
「どぉ……?」
櫂の眉がぴくぴくと動く。
「…………な」
「…………な?」
「なんでこのカレーは……すっぱいんだ?」
「あ。ごめん。実は間違えて酢を入れちゃって」
「味見しろよ!?」
「ち……違うのよ。味見してなんとか取り繕うとしていたらこんな感じに……」
ぽろりと本音が出たのだろう。美和は「しまった」というような顔になった。櫂はため息を一つ。
加菜子も創作料理とかいってハンバーグに生クリームをぬったり湯豆腐をオレンジジュースに浸したりしているが、このカレーもそれに勝るとも劣らない風味に仕上がっていた。
「しかも粉っぽいし」
「ごめんなさい……」
「もう櫂! いい加減にしなさいよ。せっかく作ってくれたのに」
加菜子が割って入る。
