「別れても、好きでいていいですか…?」


 呼ばれて美和に視線を移すと彼女は嬉しそうな視線を櫂に送っている。どうやら一段落したらしい。

「こうしているとわたしたちって夫婦みたいだよね」

「……え?」

 なんと答えていいのかわからず櫂は眉をひそめる。

「何よ。ずいぶん不満ありげね」

「いや……別にそういうわけじゃないが……」

 美和は少し頬を膨らませた。櫂が続ける。

「少なくとも夕食作るのにレシピを見るような嫁は嫌だけどな」

 そのとたん、美和の頬は真っ赤になった。

「これは──今日はごちそう作るからレシピを見ているだけよっ! 普通の家庭料理だったら もちろんソラでも作れるんだから」

「ふーん」

「何その疑わしげな目は!? だいたいそもそも女の子は料理できないのはダメだなんて、そんな時代錯誤な考え自体がどうかと思いますけど!」

「料理ができないのは人としてまずいだろ?」

「~~! じぶんができるからってぇ……」

「なんだ。やっぱりできないんじゃん」

「できます!」

 ピイィィィ────!