「失礼致します…経理課の染中です」


私は秘書室の扉をノックして開く。


室長の小畑先輩が私に応対。


「本日の役員会で使用する決算報告書のコピーです…社長にお渡し下さい」



「ご苦労様…」


小畑先輩は優しそうな笑みを添えて書類を受け取る。



パソコンのキーの叩く音。


電話の鳴り響く音。


私の居るオフィスと同じ音だけど…


経理課とは違って…優雅な雰囲気の秘書室。


部屋全体も甘い華の香りに包まれていた。