「・・・貸して…君は確か…経理課の子だったね~」



「で、でも・・・」



「社長だから遠慮してる?」



私は祐早斗さんの厚意に甘えるべきか迷う。



でも祐早斗さんは強引に袋を奪って…エントランスに入って行った。




この人は私の返事を聞く前に何でも強引にしてしまう・・・



「祐早斗様!?」


秘書の栗原さんが祐早斗さんを大声で呼んだ。



「栗原か…」



「祐早斗様…一体何をなさっているんですか?社屋の前でお待ち下さいと伝えたはずです!」


「…それは分かってる…でも、困った女子社員が居てさ…」



栗原さんがジロリと私の方に視線を向けた。


栗原さんは派遣業として秘書している方。

小畑先輩だって…栗原さんには頭が上がらないらしい。